風景や人の動きなどを音(楽)に変えたり、明るさの変化や物体の色などに応じてリアルタイムに音声や音楽を生成するなど、ご要望に応じて音声・音楽に特化したソフトウェアをお作りします。
仮想空間・VR、ゲーム、研究・実験、広告、演出、アートセラピーなどあらゆる場面で応用できます。何に何を反応させるか、どの程度反応しやすくするかなどすべてアイディア次第ですので、お気軽にご相談ください。
動きを聴く
最適な用途:身体表現カメラが動き(踊りなど)を認識し、それを音に変えます。動きがないと音は鳴らず、動きがあればその速さによって音の大きさや高さが変わります。例えば踊りに使えば「音(楽)に舞踊を合わせる」のではなく、その逆の「舞踊に音(楽)を合わせる」ということが可能になり、しかも音の生成はすべて自動で行われるため音を出すための人を用意する必要はありません。
動画は、熊本県宇城市の光照寺にて執り行われた奉納舞のための仕様。あらかじめサンプリングした光照寺の梵鐘の音を音源としたうえで、踊り手の動きを捉えるカメラからの映像を9分割し、踊り手の左上と右上に速い動きを検知したときに梵鐘の音を6つの異なるランダムなピッチで同時に再生。残りの7枠では踊り手の動きの速さに応じて梵鐘の音を引き延ばした(グラニュラーシンセ使用)音声のボリュームが上下するというセッティングです。
風景や光を聴く
最適な用途:風景 花火 ホタル などカメラが物体(建物、車など)を認識し、それを音に変えます。物体がないと音は鳴らず、物体がある限りその色と大きさに応じた音を自動で生み出し続けます。小さな物体ほど高く、大きな物体ほど低い音が鳴るように設定されています。例えば電車や車の車窓や川や運河を進む船からの景色などに。
動画では、映像の中で物体を2つ認識し、それぞれの物体の色が白に近いほど鋭い音、黒に近いほど丸い音、そして物体の大きさを音の高低に当てはめています。音源はインパルスをベースとしてグラニュラーとリバーブを適用し、すべてシステム内で合成しています。
仮想の自然界を聴く
仮想の自然界(生態系)をその場に出現させます。雨、風、波、滝、雷の音や仮想の生物の声を生み出していますが、現実世界と同じように、時間帯や季節によって聞こえてくる音は違い、人がいれば動物の鳴き方も変わります。録音は一切使わず、すべての音はソフトウェア内のシンセサイザーからリアルタイムに生成されています。
すべての音をシンセサイザーで生成するため、雨の量、風の強さ、生き物の鳴き声の大きさや高さといったあらゆる要素を、使用するカメラやセンサーの数値などと連動させ、出力される音をリアルタイムに変化させることができます。
物理ステップシーケンサー
壁やテーブルを楽器に変えます。まず手元にあるモノの「音」を録音して、そのモノをマスの上に置きます(壁の場合はマスの中に磁石を貼ったり、丸を描いたりします)。すると、流れてきた光の帯がそのモノを照らした瞬間に、先ほど録音した音が鳴ります。光の帯は繰り返し流れ、また、同じように録音を繰り返すことで最大10種類の音を同時に扱えるので、マスの上に様々なモノを置くことで簡単に音楽を奏でることができます。
物体の並び方を変えることで音はリアルタイムに変化します。数字キーを押している間だけそれに対応した音源(例えば3なら3種類目の音)が録音されるため、再生しながら録音しなおしてビートを変化させることも可能です。
防災放送アナウンス訓練用音響シミュレーター
市町村防災行政無線のアナウンサーの訓練を目的とした音響シミュレーターです。
市町村防災行政無線を使用して地域の住民に避難を呼びかける緊急時の町内(屋外)放送では通常、アナウンサーが避難者の環境から自身の声をモニタリングすることができません。しかし実際には避難者が屋内にいたり、スピーカーからの距離が遠い、建物や山からの反響音や雨音が妨げとなるなど、様々な要因で避難者に放送内容が正確に伝わらないリスクがあります。
このソフトウェアは、防災行政無線のスピーカーから出たアナウンサー自身の声が実際にどのように聞き手(避難者)に聞こえているかをシミュレートすることで発声方法の改善に繋げ、可能な限りこのリスクを軽減することを目的としています。
本システムは金沢工業大学様のご依頼により、下記の文献において発表されたPureDataシステムをベースにさらなる利便性の向上をねらって開発したものです。
○土田義郎:防災放送の訓練システムに関する基礎的検討,日本建築学会大会 学術講演会梗概集,VOL.防火,435-436, 2013/08/30.
○土田義郎:超巨大災害発生時の避難勧告・指示の効果的情報伝達対策,シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」,金沢工業大学地域防災環境科学研究所,32-33,2014/09/27.