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著作権の新しいかたち、クリエイティブ・コモンズ

2016年1月31日

これまで、人が生み出した作品は著作権ですべて保護されているもの(コピーライト、いわゆる”All rights reserved”)と保護されていないもの(パブリックドメイン)に分けられていました。例えばあなたが曲を作ったとすると、私はその曲を無断で使用することができません。これがコピーライトです。

著作権のデメリット

この権利はあなたの死後50年が経過するか、あなた自身が権利を放棄しない限りは適用され続けます。死後50年が経過、あるいはあなたが権利を放棄した場合はパブリックドメインという扱いになり、誰でも自由にあなたの曲を利用することができるようになります。

つまりあなたが著作権を放棄しない限りあなたの曲は自動的にコピーライトで守られるので、もし誰かがあなたの曲を気に入って、ラジオで放送したり、自分の映像作品と組み合わせたり、編曲・リミックスをしたいと思っても、まずあなたから許可をもらうために交渉する必要があります。あなたが自分の曲をたくさんの人に聞いてもらいたいと思っていたとしても、コピーライトがその足かせとなってしまうということです。

このブログやワークショップ、講座でも説明のための画像や動画をよく探すのですが、著作権の問題なく使えるものを見つけるのは簡単ではなく、いつもコンテンツ作りに苦労しています。せっかくわかりやすい動画があっても著作権表示が曖昧で、結局使えないということがよくあります。

クリエイティブ・コモンズ

このような問題の解決に立ち上がったクリエイティブ・コモンズ(Creative Commons)は、作者の権利を守りつつ、世の中に出回る作品をスムーズに循環させるための、著作権の新しいかたちです。

クリエイティブ・コモンズは、著作権ですべて保護された状態(コピーライト)と保護されていない状態(パブリックドメイン)の中間に6種類のライセンスを作り、それぞれの条件に従うことで誰でも自由にそのライセンスの付いたコンテンツを利用することができるようになる、というものです。これらのライセンスは、誰でも自由に自分のコンテンツ(音楽や動画、文章など)に対して発行することができます。


表示(BY)
原作者のクレジット(名前・作品タイトルなど)を表示すれば、改変や営利目的での二次利用ができる。


表示-継承(BY-SA)
原作者のクレジットを表示し、改変した場合は元の作品と同じライセンス(このBY-SAライセンス)で公開すれば、営利目的での二次利用ができる。


表示-改変禁止(BY-ND)
原作者のクレジットを表示し、元の作品を改変しなければ営利目的での転載・コピー・共有ができる。


表示-非営利(BY-NC)
原作者のクレジットを表示すれば、非営利目的に限って改変や再配布ができる。


表示-非営利-継承(BY-NC-SA)
原作者のクレジットを表示し、非営利目的で、かつ元の作品と同じ組み合わせのライセンスであれば改変や再配布ができる。


表示-非営利-改変禁止(BY-NC-ND)
原作者のクレジットを表示し、非営利目的で、元の作品を改変しなければ再配布ができる。

私の音楽作品は、個人利用であれば表示-非営利(BY-NC)、商用利用であれば表示(BY)ライセンスとしてあります。つまり原作者が小山和音であることを表示すれば、誰でも自由に私の作品をダウンロードして自分の作品と組み合わせて公開したりしても(表示(BY)ライセンスの場合は販売しても)問題ありません。

さらに、こうしてウェブ上に載せる文章も著作権で保護されていることがほとんどですが、このブログの文章やkazunekoyama.comに載っている文章も、ページのいちばん下にあるとおり、クリエイティブ・コモンズの表示(BY)ライセンス、つまり引用元さえ表示すれば転載も編集も可能です。

というようにクリエイティブ・コモンズは、「著作権があるかないか」だけの極端な世界を解きほぐして、原作者の権利は守りつつ世の中に出回る作品の可能性を広げてくれる存在です。作り手も、自分の作品がどのように広がっていってほしいかを考えて作品ごとに適切なライセンスを付けることができます。

知られていない、あるいは気に留められていないがゆえに「とりあえず著作権で保護されてしまった」コンテンツであふれたこの世界。クリエイティブ・コモンズという存在を選択肢に入れ、人々の意識が少し変われば、良い循環が生まれるのでは。

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筆者プロフィール
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小山和音(こやま・かずね)

オランダ在住の音楽家。「評価しない・教えない・自分たちで作る」にフォーカスしたオンラインの音楽学校、音声や音楽に特化したソフトウェア開発、音や音楽を扱うワークショップや講座、音楽レッスン、作曲・即興演奏などを本業としています。

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