Loopの耳栓Dream、Quiet 2(Plus)、Experience 2(Plus)、Engage 2(Plus)、Switch 2などを比較します。
Loop(Loop BV)は、ベルギーを拠点として世界各国で耳栓(イヤープラグ)を販売しているメーカーです。
耳栓のデザイン・設計はベルギー、製造は中国で行っているとのことです。
2025年9月現在、日本国内では下記の耳栓を販売しています。
たくさんあり混乱するかもしれませんが、ざっくりと方向性で分けると下記の4系統に絞られます。
Plus(遮音性を高めたモデル)やこども向けモデル、コラボレーションモデルなどは、これらうちのどれかの派生モデルです。
Quiet・Experience・Engageを1つの耳栓にまとめてシーンに応じて切り替えられるようにしたモデルがSwitch(スイッチ)です。
製品名に付いている数字は世代を表しています。2025年10月現在、Dream以外はすべて「2」(第2世代)となっています。
系統 | 方向性 | 平均遮音レベル (SNR) | カラー | イヤーピース | Amazon 商品ページ | 楽天 商品ページ | |
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![]() Dream(ドリーム) | Dream系 | 睡眠に特化したモデル | 27 dB | ブラック ライラック ピーチ | XS (シリコン) S (シリコン) M (シリコン) L (シリコン) XS (ダブル) S (ダブル) M (ダブル) L (ダブル) | Amazon | 楽天 |
![]() Quiet 2(クワイエット2) | Quiet系 | 遮音に特化したモデル | 24 dB | バイオレット ホワイト ブラック ミント | XS S M L | Amazon | 楽天 |
![]() Quiet 2 Plus (クワイエット2プラス) | Quiet系 | Quiet 2に、より遮音性の 高いイヤーピースを追加したモデル | 26(Ear Tips) 27 dB(Double Tips) | パープル ホワイト ブラック ミント | XS (Ear Tips) S (Ear Tips) M (Ear Tips) L (Ear Tips) XS (Double Tips) S( Double Tips) M (Double Tips) L (Double Tips) | Amazon | 楽天 |
![]() Experience 2 (エクスペリエンス2) | Experience系 | ライブやコンサートに特化したモデル | 17 dB | シルバー ブラック ゴールド ローズゴールド RDCスペシャルエディション Tomorrowlandホログラフィックブラック Tomorrowlandホログラフィックルビー | XS S M L | Amazon | 楽天 |
![]() Experience 2 Plus (エクスペリエンス2プラス) | Experience系 | Experience 2に遮音性を上げる オプションを追加したモデル | 17 dB 20 dB(Loop Mute装着時) | ゴールド ブラック シルバー ローズゴールド | XS (シリコン) S (シリコン) M (シリコン) L (シリコン) S (フォーム) M (フォーム) L (フォーム) | Amazon | 楽天 |
![]() Engage 2(エンゲージ2) | Engage系 | 会話に特化したモデル | 16 dB | クリア ダスク グリーン ローズ | XS S M L | Amazon | 楽天 |
![]() Engage 2 Plus (エンゲージ2プラス) | Engage系 | Engage 2に遮音性を上げる オプションを追加したモデル | 16 dB 25 dB(Loop Mute装着時) | クリア ダスク グリーン ローズ | XS (シリコン) S (シリコン) M (シリコン) L (シリコン) S (フォーム) M (フォーム) L (フォーム) | Amazon | 楽天 |
![]() Engage Kids 2 (エンゲージ キッズ2) | Engage系 | Engageのこども(6〜12歳)向けモデル | 16 dB | ベリーブルー ウォーターメロンレッド オーシャンオレンジ | XXS XS S M | Amazon | 楽天 |
![]() Switch 2(スイッチ2) | ー | Quiet 2・Experience 2・Engage 2を 1つの耳栓にまとめて切り替え られるようにしたモデル | 20 – 26 dB | エメラルド ブラック ゴールド シルバー McLarenパパイヤ | XS S M L | Amazon | 楽天 |
これらのうち、Quiet 2 Plusだけは公式サイトには見当たらず、Amazonや楽天の公式ストアでは販売されています(理由は不明)。
Loopの耳栓の遮音性をグラフにまとめてみると次のようになります。
グラフの左は低い音の成分、右は高い音の成分で、グラフの上へ行くほどその音の高さでの遮音性能が高いということを表しています。
これは理論上の数値ですので、実際に耳に届く音にはある程度の個人差が見込まれます。
タイトル下の製品名をタップ/クリックするとその製品の線を非表示にできます。
63 Hz | 125 Hz | 250 Hz | 500 Hz | 1000 Hz | 2000 Hz | 4000 Hz | 8000 Hz | 平均 | |
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Dream | 23.5 | 22.5 | 23.2 | 23.7 | 24.8 | 32.9 | 32.7 | 35.4 | 27.3 |
Quiet 2 Plus (Ear Tips装着時) | 23.3 | 24.1 | 20.9 | 21.3 | 25.9 | 31.0 | 33.0 | 24.4 | 26.0 |
Quiet 2 Plus (Double Tips装着時) | 26.0 | 26.0 | 25.6 | 24.5 | 24.6 | 33.3 | 31.6 | 36.3 | 27.0 |
Experience 2 | 20.7 | 21.7 | 18.6 | 19.3 | 21.1 | 24.1 | 20.2 | 12.3 | 19.8 |
Experience 2 Plus (Loop Mute装着時) | 19.3 | 19.4 | 17.0 | 17.9 | 20.6 | 27.2 | 22.8 | 18.1 | 20.3 |
Engage 2 | 8.1 | 10.3 | 10.9 | 11.2 | 14.9 | 21.7 | 21.7 | 21.0 | 15.0 |
Engage 2 Plus (Loop Mute装着時) | 23.3 | 24.1 | 20.9 | 21.3 | 25.9 | 31.0 | 33.0 | 24.3 | 25.5 |
Switch 2 (Quietモード) | 21.4 | 22.6 | 22.0 | 21.3 | 24.4 | 31.7 | 34.1 | 36.1 | 26.7 |
Switch 2 (Experienceモード) | 21.2 | 22.4 | 21.7 | 20.3 | 21.4 | 28.2 | 29.3 | 22.3 | 23.4 |
Switch 2 (Engageモード) | 17.0 | 19.0 | 18.5 | 16.5 | 19.5 | 26.9 | 24.6 | 20.5 | 20.5 |
どの耳栓も、人間が最も敏感な3kHz(3,000Hz)付近で特に高い遮音値となるようにチューニングされているようです。
この中で最も平均遮音性能が高いのはQuiet 2 Plus、最も低いのはEngage 2です。
Loop Muteというリング状のオプションフィルターを装着することで、Experience 2 Plusでは-3dB、Engage 2 Plusでは-9dBのノイズ低減効果があるとされています。
SNR値を見るとEngage 2 Plusでは確かに大幅に遮音性能が上がっていますが、Experience 2 Plusでは聞こえ方が多少変化する程度にとどまっているようです。
Dreamはイヤーピース/フィルターが1種類のみですが、Quiet 2 PlusにはEar Tips・Double Tipsという2種類のイヤーピース、Switch 2にはQuiet・Experience・Engageという3つのモードがあり、それぞれ遮音性が異なります。
Switchにある3つのモードは、それぞれ単体として販売されている3種類の耳栓の名前がついているのですが、音の高さごとの遮音性能は必ずしも一致しません(例えばQuiet 2と、Switch 2のQuietモードでの音の聞こえ方は同じではありません)。
Quiet 2・Switch 2・Dreamにはいずれも耳栓本体がおさまるケースが付属します。
Dreamのケースのみ他のモデルよりひとまわり大きく、100円玉と比較するとこのようなサイズ感です。
Quiet 2とSwitch 2のケースにはキーチェーンなどに取り付けるためのストラップが付いていますが、Dreamのケースには付いていません。
どのケースも貝殻のように開き、閉まるときはパチッという感触があります。
Quiet 2とSwitch 2のケースはそれぞれ耳栓本体が溝に収まるかたちですが、Dreamのケースに溝はなく、ただ転がっているだけの状態です。
それぞれ下記のイヤーピースが付属します。
Quiet 2 Plus | XSサイズ(直径8mm)のEar Tips Sサイズ(直径10mm)のEar Tips Mサイズ(直径11mm)のEar Tips Lサイズ(直径12mm)のEar Tips XSサイズ(直径8mm)のDouble Tips Sサイズ(直径10mm)のDouble Tips Mサイズ(直径11mm)のDouble Tips Lサイズ(直径12mm)のDouble Tips |
Switch 2 | XSサイズ(直径8mm) Sサイズ(直径10mm) Mサイズ(直径11mm) Lサイズ(直径12mm) |
Dream | XSサイズ(直径8mm)のシリコンチップ Sサイズ(直径10mm)のシリコンチップ Mサイズ(直径11mm)のシリコンチップ Lサイズ(直径12mm)のシリコンチップ XSサイズ(直径8mm)のダブルチップ Sサイズ(直径10mm)のダブルチップ Mサイズ(直径11mm)のダブルチップ Lサイズ(直径12mm)のダブルチップ |
それぞれ、横からはこのように見えます。
Switch 2のみシルバーのため少々存在感がありますが、ブラックを選べばQuiet 2とほとんど同じ見た目になります。
耳の外へのはみ出しが少ないため、どのモデルも正面からはほとんど見えません。
リング状の部分の硬さは、Switch 2 > Quiet 2 > Dreamの順に柔らかくなっていきます。Switch 2を耳に付けたまま横になると圧迫感がありますが、Dreamであれば耳に馴染みます。
Loop Linkと呼ばれるストラップで左右の耳栓を結ぶことで、耳から外した耳栓をケースに戻さずに首にかけることができます。
Loop Link本体にマグネットが内蔵されているため、左右の耳栓が1つに合わさってネックレスのような状態になります。
Loop LinkはLoopのすべての耳栓に装着できます。
いびきなど、寝ている時の騒音に悩まされている方にはDreamをおすすめします。
遮音性は平均27dBとLoopの耳栓の中で最も高く、SNR値を公開している他社の耳栓と比べてもトップクラスです。
睡眠に特化したLoop Dreamはイヤーピース・ステム(リング)ともにやわらかいシリコン製であり、耳からのはみ出しも最小限に抑えられています。
横向き(耳が枕に当たった状態)になっても筆者の場合は圧迫感を感じませんでした。
耳の形は人それぞれであり、枕の反発力も関係しますので、すべての方が圧迫感を感じないわけではありません。
Loop Dreamの遮音バランスは下記のとおりです。
聴覚過敏などで日頃から耳栓を付ける時間が長い、あるいは様々なシチュエーションにすぐ対応したい方はSwitch 2が便利です。
多くの耳栓では遮音の度合いやバランスを変えることができず、できたとしてもフィルターを交換する必要があるため、状況の変化にすぐ対応したい場合は複数の耳栓を持ち歩く必要がありました。
このSwitch 2では
という3つのモードを、耳栓本体のリングを回すだけで切り替えられるようになっています(1台3役です)。
例えば音を聞く必要がない間はQuietモード、イベントが始まったらExperienceモードに切り替えて楽しみつつ、話しかけられた時や店員さんと会話をする時はEngageモードに切り替える、といった柔軟な使い方ができます。
Loop Switch 2の各モードの遮音バランスは下記のとおりです。
仕事や勉強などに集中したい場合はQuiet 2(Plus)がおすすめです。
遮音バランスはイヤーピースによって異なりますが、平均遮音値は下記のとおりです。
特にQuiet 2 Plusに付属するDouble Tips装着時の27dBはDreamと並ぶ非常に高い遮音レベルです。
危険のある(異常を音で察知したり、警報音などに気づく必要がある)業務では絶対に使用しないでください。
Loop Quiet 2 Plusについてはこちらの記事で詳しくレビューしています。
Loop Quiet 2 Plusの遮音バランスは下記のとおりです。
WHO(世界保健機関)やNIOSH(アメリカ国立労働安全衛生研究所)などが公表しているガイドラインでは、ヒトには1週間や1日あたりにさらされる騒音の上限がある、としています12。
耳栓をしない状態でライブに行ったりスタジオ練習を繰り返したりすると簡単にこの上限を超えてしまい、聴覚にダメージを受ける可能性があります。
特にライブにおいては耳栓によって音のニュアンスが変わってしまわないように配慮された耳栓が好ましいですが、音の成分への影響をゼロにすることは難しく、耳栓によって聞こえる音の個性が違うため、それぞれの状況に合った耳栓を探すしかない状況です。
遮音性は下記のとおりです。
Loop Experience 2(Plus)の遮音バランスは下記のとおりです。
世界にひとつだけのオリジナルの楽器をデザインし、五線譜ではない楽譜やドレミではない音律をグループで話し合って作り、それらを使って音楽をゼロから創作する音楽教育プログラムを中心に、音(楽)にまつわるユニークな取り組みをしています。お仕事のご依頼やコラボレーションのご提案など、お気軽に!