人は音楽や作曲をはじめたいと思ったとき、何の疑問も持たずに音楽教室や音楽学校へ通いますが、それは本当に必要でしょうか?独学ではだめなのでしょうか?
もくじ
音楽には、商品としての音楽と、そうでない純粋な音楽があります。
音楽学校や音楽大学では特にこの二つがごちゃ混ぜになっており、商品として音楽を売りたい訳ではないのに不要な知識やテクニックを植え付けられてしまう、ということがよく起こります。そうすると、その人の持ち味が消えていってしまいます。
有名な曲からは「人気の出る(売れる)法則」を見いだせることがあり1、それを知っていれば「売れる」かもしれません。しかし人気が出ることが目的ではないなら、有名な曲(他人の表現)を把握している必要はありません。
むしろ音楽を聴けば、私たちは良くも悪くも影響を受けます(その人の表現がだんだん塗り替えられていきます)。そのため、有名な曲(他人の表現)を知らなければ知らないほど純粋な表現ができる(その人らしさが活かせる)とも言えます。
筆者は、小さい頃に作っていた曲と音楽学校に入ってから作った曲を比べてみたところ、「聞いた曲の数だけ自分の感性は少しずつ塗り替えられる」ということがわかりました。
自分から聴きたくて聴くのならともかく、音楽の先生から「これを聴きなさい」「これを弾きなさい」と言わたものを素直に受け入れていると、自分の音楽はどんどん失われてしまいます。
特にこどもは「先生は絶対正しい」と思い込みがちなので、ここは気をつけたいところです。
もし好きな音楽家(アーティスト)がいない場合、自分は「勉強不足」か、あるいは「本物」を知らないと思ってしまうかもしれませんが、それは勘違いです。
あなたの好みは誰から何と言われようとあなたの好みであり、それと「他人の音楽を知っているかどうか」というまったく違う問題を結びつけるのは無理があります。
筆者にとって「好きな音の瞬間」や「好きな音の組み合わせ」はあっても、その音楽家が作るすべての瞬間が好きということはないため、好きな音楽家は誰かと聞かれると困ってしまいます。「好きな音楽家」がいない、ということは十分ありえる、ということですね。
音楽教室や学校で「天才」「お手本」とされている、例えばバッハやビートルズなどは、否定してはいけない・聴かなければいけないような気がするかもしれませんが、それも気のせい(社会的に作られた先入観)です。
なので、もちろん無理に好きになろうとしなくてもいいですし、そもそも興味がなければ聴かなくても大丈夫です。
社会の評価は関係なく、好きなものは好き、嫌いなものは嫌いと言える勇気は、あなたの本当の音楽(あなたらしさ、持ち味)を守ってくれるでしょう。
世界にひとつだけのオリジナルの楽器をデザインし、五線譜ではない楽譜やドレミではない音律をグループで話し合って作り、それらを使って音楽をゼロから創作する音楽教育プログラムを中心に、音(楽)にまつわるユニークな取り組みをしています。お仕事のご依頼やコラボレーションのご提案など、お気軽に!